介護施設の給水と排水の基本構造

介護施設の水道管理ポイント解説

修理班

介護施設における水道用語の理解を深めるために

1. 介護施設における水道設備の重要性
介護施設では、高齢者が安全かつ快適に生活するために適切な水道設備が不可欠です。入浴、トイレ、手洗い、飲用水の供給、清掃、消火設備など、多岐にわたる用途で水が利用されます。そのため、水道設備に関する基本的な知識を持つことは、介護スタッフや施設管理者にとって重要です。
2. 水道設備の基本構造
介護施設の水道設備は、以下のような基本構造を持っています。
2.1 給水設備
給水設備は、施設内の各所に水を供給するための設備で主に以下の要素から構成されます。
・水道本管: 施設外の公共水道から供給される水が通る管
・給水ポンプ: 施設内の水圧を適切に維持するための装置
・貯水槽: 水の供給が安定しない場合に備えて水を蓄えるためのタンク
・給水管: 施設内の各所へ水を分配する配管
・止水栓: 必要に応じて特定のエリアの水を止めるためのバルブ
2.2 排水設備
排水設備は、使用済みの水を適切に排出するために必要で主に以下の構成要素があります。
・排水管: 使用済みの水を下水道や浄化槽へ流すための配管
・トラップ: 悪臭や害虫の侵入を防ぐために設けられた水封装置
・グリーストラップ: 調理場などで油脂の流出を防ぐための装置
・汚水ポンプ: 排水を適切に排出するために使用されるポンプ
3. 介護施設における特有の水道設備
3.1 バリアフリー対応の設備
介護施設では、高齢者が使いやすいように設計されたバリアフリー対応の水道設備が求められます。
・自動水栓: 手をかざすだけで水が出る蛇口。感染症予防や節水に役立つ
・温度調整機能付き混合水栓: 高齢者がやけどしないように水温を一定に保つ機能を持つ蛇口
・床排水: 介助者が付き添いやすくするために浴室やトイレの床に排水設備を設ける設計
・車椅子対応の洗面台: 車椅子利用者が無理なく使えるように高さが調整された洗面台
3.2 衛生管理のための設備
介護施設では、衛生管理が重要視されます。そのため、以下のような設備が整えられています。
・逆流防止装置: 汚水が給水管へ逆流するのを防ぐ装置
・殺菌装置: 飲料水や浴槽水の細菌繁殖を抑えるための設備(紫外線殺菌装置など)
・レジオネラ菌対策: 浴槽水や給湯設備においてレジオネラ菌の繁殖を防ぐための水質管理
4. 介護施設における水道トラブルと対策
水道設備が正常に機能しなくなると、介護施設では重大な問題が発生し代表的なトラブルとその対策を解説します。
4.1 水漏れ
水漏れは、配管の劣化や接続部の不具合によって発生します。施設内で水漏れが発生した場合、早急に以下の対応を行う必要があります。
・応急処置: 止水栓を閉め漏水箇所を特定する
・業者への連絡: 専門業者に修理を依頼し被害の拡大を防ぐ
・定期点検の実施: 老朽化した配管の交換や点検を定期的に行う
4.2 水圧低下
水圧が低下すると、トイレの流れが悪くなったりシャワーの水量が不足したりする問題が発生し主な原因と対策は以下の通りです。
・貯水槽の水位確認: 十分な水が供給されているか確認する
・給水ポンプの点検: ポンプが正常に作動しているか確認する
・配管の詰まりチェック: サビや異物による詰まりがないか調査し必要なら洗浄を行う
4.3 排水の詰まり
排水の流れが悪くなると、悪臭や水漏れの原因になります。特に介護施設では、排泄物や介護用品による詰まりが発生しやすいです。
・定期的な清掃: 排水管のメンテナンスを行い異物が蓄積しないようにする
・適切な使用指導: 介護スタッフに対して排水口へ流してはいけない物の説明を行う
・専用薬剤の使用: 排水管の詰まりを防ぐために適切な洗浄剤を使用する
5. 介護施設での水道管理のポイント
介護施設では、水道設備の適切な管理が利用者の安全と快適な生活に直結します。管理のポイントとして以下の点に注意が必要です。
・水質管理の徹底: 水質検査を定期的に実施し安全な水を提供する
・設備の定期点検: 配管や給水ポンプ、貯水槽の点検を定期的に行い故障を未然に防ぐ
・スタッフの教育: 介護スタッフに対し水道設備の基本的な使い方やトラブル時の対応方法を周知する
・緊急対応マニュアルの整備: 水道トラブル発生時の対応手順を明確にし迅速な対応を可能にする
6. まとめ
介護施設における水道設備は、入居者の生活の質を大きく左右します。基本的な設備構造やトラブル対応、管理のポイントを理解することで、安心・安全な環境を維持することが可能になります。介護スタッフや施設管理者は、日頃から水道設備の知識を深め、適切な運用を心がけることが求められます。